山口つばさ「ブルーピリオド」二次創作短歌

山口つばささんの「ブルーピリオド」9巻発売とアニメ化決定、おめでとうございます! ツイッターでハッシュタグの企画をしていたので、FA(ファンアート)を「描く」ことはできませんが、二次創作連作をつくって参加させていただきました。 「ブルーピリオド」、本当に好きな作品です。よく知らないのに心が動かされてしまう面白さ、好きなものを見つけた嬉しさ、続ける苦しさ、自分の作品を作れるのは自分だけという頼もしさ・もどかしさ……。それら全てが濁流にように押し寄せてきて、泣き崩れたり元気づけられたりします。ここ2~3週間は精神状態が最悪で、短歌も今度作れたり読めたりするのか全くわからないなぁと思っていたのですが、9巻の猫屋敷先生に撃ち抜かれてしまい、気づけば作っていました。アニメ化も楽しみです!

ブルーピリオド

くだらない紫煙が朝に溶けてゆく美術展のポスターは並んで

でもいてしまうこの眼が見る全て見てきた全て 見てほしいから

絶望をあなたがくれたあかるさに雪降る中央線のホームよ

手のひらの大きさのニケ 勝つための戦いを今、いま始めよと

いつからか重い鎧になっていたこの世の波を斬るつるぎさえ

筆を持つたび駆動する心臓を手がキャンバスが受けとめること

祈りってひとつじゃないね 恐れすら描き込んでいくF100号に

あ 明けたね。湯島天神まで列はいびつに伸びて君が苦手だ

踊り場に風がうずまく 細い指を心に絡めないで お願い

氷橋ゆくかのようにお互いに話を打ち明けたラーメン屋

海へ行く電車は海のしずけさで溺れに行くと言うばかといる

どの青で身体からだけばこの身体らしくなるのか小舟のような

情けない本音で彩られていく自分にもっと期待したくて

春は曙 あの日の渋谷と同じとは思えず返事もせずに歩いた

震えてる指先がいい選んできた/選ばなかったぜんぶを見せて

逸らさないで。一番可愛い嘘を見て。尖った耳に髪をかけつつ

才能の話に解はなく冷えた廊下で俺の影にあなたは