2020年に触れたもの
2020年に触れたものを書き残しておきます。「触れた」と書いているのは、僕自身が実際プレイしていないゲーム(実況動画を観た)とか、再読した場合は最初から最後まで読まずにある章だけ読んだ、など曖昧な場合があるからです。
映画
1月
- 二人のローマ教皇(Netflix)
- シャイニング(Netflix)
- キングオブプリズム オールスターズ プリズムベストテン(通常3回 応援2回)
- ジョジョ・ラビット
- パラサイト 半地下の家族
2月
- カツベン(機内)
4月
- 夜明け告げるルーの歌(Netflix)
5月
- パプリカ(Netflix)
7月
- もののけ姫
9月
- TENET
11月
- 羅小黒戦記
3月、10月、12月は無いです(ギリギリになって観に行くかもしれません)。「羅小黒戦記」はいい作品だったのですが、(ツイートもしましたけど)感覚としては「ラ・ラ・ランド」や「ア・ゴースト・ストーリー」に近いです。予想していたストーリーと違って、それが僕はすごくショックだった、という……。ベストを決めるなら「ジョジョ・ラビット」ですね。すごく大事な映画でした。服もオシャレで、音楽もよくて。僕は昔は〈軍〉というか、〈戦争〉に憧れがありましたから、それで後々随分苦しみました。今も自分がそこに加担するおそれはあると思っています。戦争を忘れないように、という意図で作られた作品に対して、子供だった僕は「何かの為に命を懸けるかっこいいストーリー」しか読み取れなかった。それは本当に呪いでした。でも僕は「ジョジョ・ラビット」を観て、子供の頃の自分が救われた、とはっきり思ったんですね。パンフレットには、監督の
大人の役目とは、子どもたちを育てる過程の中で自分たちより善い人間になれるように導いてあげることだと気づきました。しかし、戦時中は、大人は真逆のことをしています。全世界が進むべき道の手本を必要としていたこの時代に、子どもたちから見た大人たちは、支離滅裂で不条理だったはずです。(p.17)
という言葉があります。僕はこの人の「大人」の考え方に非常に共感しましたし、そういう倫理観を持つ人が映画を作り続けることを支援していきたいです。作者の情報が作品に余計な考えを生むことを危惧していますが、この作品に関わったスタジオ(FOXサーチライト)が男女2人の共同会長体制であること、マオリ系ユダヤ人であるタイカ・ワイティティ監督が、この作品の製作・脚本、そしてアドルフ・ヒトラー役として演じていることも重要なことだと考えるので添えておきます。ご興味ある方はぜひ観ていただきたいです。
詩集
- リホール・バラドゥーリン『風に祈りを』(越野剛訳)
- 『ロルカ詩集』(長谷川四郎訳)
- 谷川俊太郎『すてきなひとりぼっち』
- 『ハイネ詩集』(井上正蔵訳)
- 詩誌「砕氷船」(森哲弥・苗村吉昭)
あまり詩集という単位では読んでいないなぁ……。
歌集・句集(再読含む)
- 大森静佳『カミーユ』
- 小林久美子『ピラルク』
- 小林久美子『恋愛譜』
- 小林久美子『アンヌのいた部屋』
- 大森静佳『手のひらを燃やす』
- 笠木拓『はるかカーテンコールまで』
- 千種創一『砂丘律』
- 服部真里子『行け広野へと』
- 吉田恭大『光と私語』
- 谷じゃこ・枇杷陶子『ほろほろまる』
- 佐藤文香『君に目があり見開かれ』
- 井上法子『永遠でないほうの火』
- 陣崎草子『春戦争』
- 髙柳克弘『未踏』
- 内山晶太・染野太朗・花山周子・平岡直子『外出』
- 橋爪志保『いちめんの雪』
- 齋藤史歌集(自選)
- 荻原裕幸『リリカル・アンドロイド』
- 佐藤文香編著『天の川銀河発電所』
- 青松輝・佐原キオ・平出奔・橋爪志保『のど笛』
- 『杉原一司歌集』
- 『杉原一司メトード歌文集』
- 千種創一『千夜曳獏』
- 池田澄子『此処』
- 石川美南『体内飛行』
- 水原紫苑『びあんか』
- 水原紫苑『うたうら』
- 稀風社『bouquet,2020』
- 飯田有子『林檎貫通式』
- 鈴木ちはね『予言』
- 正岡豊『四月の魚』
- 『江戸雪歌集』
- 花山周子『林立』
- 朽木裕『鴉と戦争』
- 田宮智美『にず』
- 石川美南『砂の降る教室』
- 水原紫苑『如何なる花束にも無き花を』
- 竹内亮・とみいえひろこ・山本夏子・岩尾淳子・高田ほのか・千種創一・原田彩加・藤本玲未「半券」
- 川野芽生『Lilith』
- 堂園昌彦『やがて秋茄子へと至る』
- 石田波郷『鶴の眼』
- 石田波郷『風切』
- 石田波郷『病鴈』
- 芭蕉全句集
- 蕪村俳句集
- 藤本玲未『オーロラのお針子』
- 正岡子規全句集
- 小池正博編著『はじめまして現代川柳』
- 北山あさひ『崖にて』
- 山田耕司『不純』
- 松本てふこ『汗の果実』
- 『藤原月彦全句集』
- 笹谷潤子『海ひめ山ひめ』
- 笹谷潤子『夢宮』
- 『堀口星眠句集』
- 『セレクション俳人 櫂未知子』
- 『関悦史『六十億本の回転する曲がつた棒』
- 小野あらた『毫』
数え間違いがなければ59冊ですか? 絶対メモし忘れている本もありそうですが……。去年僕は歌集を8冊しか読んでいないので、ものすごい躍進だったと思います(そもそも8冊しか読んでいないのがヤバすぎるという話がある)。11月からは句集ばかり読んでいました。めちゃくちゃ楽しいですよ。俳句ってやつは……。来年はたくさん知り合いが歌集を出す予感がするので楽しみです。
漫画
- 板垣巴留『BEASTERS』1〜10巻
- ヨシヨサツキ『ヨシノズイカラ』1〜2巻
- 古舘春一『ハイキュー‼︎』
- 加藤和恵『青の祓魔師』22,23巻
- 林田珠『ドロヘドロ』1〜15巻
- 野田サトル『ゴールデンカムイ』
- 香山哲『ベルリンうわの空』
- 諫山創『進撃の巨人』31巻まで
- アボガド6『上映』
- アボガド6『剥製』
- 小梅けいと『戦争は女の顔をしていない』(原作:スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ)
- 本田『たったひとつのことしか知らない』
- 本田『ほしとんで』
- 葦原大介『ワールドトリガー』
- さもえど太郎『Artiste』
- 野田彩子『ダブル』
- 内藤泰弘『血界戦線』
- ヤマシタトモコ『薔薇の瞳は爆弾』
- ヤマシタトモコ『恋の心に黒い羽』
- ヤマシタトモコ『YES IT'S ME』
- ヤマシタトモコ『スナップ, スネイル&ドッグテイル』
- 鳶田ハジメ「ぼっち旅」
- 紀伊カンナ「雪の下のクオリア」
- たじまこと「アキはハルとごはんを食べたい」
- 中村朝「天帝少年」
- 原作・山田鐘人、作画・アベツカサ「葬送のフリーレン」
僕基本的にネカフェが漫画を読むので、コロナで行けなくなってからはあんまり新しい漫画を読めてないです。前から自分で買ってた数種類を新刊が出るたび追っていた、という感じ。どれも大事な漫画です。
本
- 吉田寛『ヴァーグナーのドイツ 超政治とナショナル・アイデンティティのゆくえ』
- 中川裕『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』
- モリエール『人間ぎらい』(内藤濯訳)
- 太宰治短編集
- 西東三鬼『神戸・新神戸・俳愚伝』
- 『石田波郷全集』第五巻「作家論」
- 村山古郷『明治俳壇史』
- 〃『大正俳壇史』
- 〃『昭和俳壇史』
- ユリイカ「偽書」
- 『波郷自句解』
- 清水孝之『追跡 三浦樗良』
「本」と言いましたが戯曲や学術書とか色々あります。古山さんの本や吉田さんの本は今年読めたことに自分の中では大きな意味があるなと思いました。よかったです。
語学
- ジョージア語
- スウェーデン語
- エスペラント
- ドイツ語
何をどこまでやったか言えないくらい全然できていないのですが、「触れた」のでOKとします。ジョージア語が詰んでいるのでアルファベットくらいは満足に書けるようになりたいのですが……。
写真展
- 永遠のソール・ライター
本当にこれだけです。平日で僕しかいなかったのでゆっくり見てまわることができました。これについてはnoteに10首連作もあげたはずです。
ゲーム
- キングダムハーツ III
- ファイアーエムブレム風花雪月
- あつまれどうぶつの森
- FINAL FANTASY VII REMAKE
- The Immortal
- アウターワールド
- Heart of The Alien
- Heart of Darkness
- 魔女の家
- グノーシア
- RimWorld
- Human: Fall Flat
- アサシンクリード
- アンリアルライフ
- Nightmare Circus
- おでかけレスターれれれのれ
- とっとこハム太郎4
- 獄都事変
- ぼくの夏休み2
- サイベリア
- グレゴリー・ホラーショー
- ゆめにっき
- ニーズヘッグ2
- ヒーブホー
- フォールガイズ
- スプラトゥーン 2
- ghosteacher
- 龍が如く7
- 霧雨が降る森
- 逆転裁判1
- 逆転裁判2
- 逆転裁判3
- 逆転裁判 甦る逆転
- 逆転裁判4
ご存じの方は分かると思うのですが、ナポリの影響です。逆転裁判は自分でも今プレイしていて気が狂っています。
アニメ
- ドロヘドロ
- BNA
- 輪るピングドラム
- ハイキュー!! TO THE TOP
- イエスタデイをうたって
- ミッドナイトゴスペル
- グレート・プリテンダー
- 呪術廻戦
- 富豪刑事
あまり観てないですね……。「富豪刑事」は途中までしか観られていないです。宮野さんが御曹司じゃなくてびっくりしました。
美術展
- ハマスホイとデンマーク絵画展
- 永遠のソール・ライター
- ロンドンナショナルギャラリー展
- 鴻池朋子 ちゅうがえり展
- 宇宙の卵
- パウル・クレー
ハマスホイとちゅうがえり展が特によかったです。
演劇※配信あり
- 舞台 鬼滅の刃
- おおきく振りかぶって 秋の大会編
- (以下配信、または円盤)
- ミュージカル ヘタリア~Singin’ in the World~
- ヘタリア~The Great World~
- ヘタリア~in the new world~
- ヘタリアFINAL LIVE〜A World in the Universe〜幕張 ・大阪
- 髑髏城の七人 鳥
- 髑髏城の七人 上弦の月
- スモール・アニマル・キッス・キッス
です。また観に行けたらいいですね、現場に。
一年を振り返って
えー、振り返ってみれば長い一年でした。今年は最初のうちは刀鍛冶や乗馬をする予定でしたし、何より夏にはドイツを巡って一ヶ月くらい過ごす予定だったので、全部潰れてずっと憎んでいましたね……この世の全てを……。あったかもしれない批評会や、友人との集まりも全部消えて、株では50万円くらい消えましたし、本当に虚無でした。もう奪われるのにも飽きた、と思っていましたが、楽しいこともありました。
まず歌集『悪友』が出せたこと。感想を色々な形で発信してくださる方がいて(メールや手紙もいただいたりして)嬉しいです! ハタ屋さんの絵が書店に並んでいるだけで僕は嬉しくなるわけですが、その絵に惹かれて買ってくださる方が多いのも「やったぜ!」の気持ちです。ただ、作者に感想を知られたくない、という人も多いので最近はエゴサの鬼を自称しなくなりました。見てはいます。(見てはいます)
Twitterで数回リプのやりとりをした人とご飯やお茶に行ったり通話で俳句について4時間話したあとに作品一緒に出しましょう! って話になったりして、己のフットワークの軽さが面白い年でもありました。まぁ初対面でサシで焼き肉行った人間なのでね……。
歌壇の授賞式に行ったり、キンプリを布教したり、浅草で手斧を投げたり、ホテルで数日間暮らしたり、人をドライブに連れ出したり、トカゲを飼おうとしたり(無理でした)、煉獄の兄貴が銀幕デビューしたり、三峯神社に行ったり、マーダーミステリーをしたり、砕氷船を結成したり、人のバイト先に遊びに行ったり……たくさんのことがありました。あと推しが怪人になりました。
なんか振り返ったらめちゃくちゃ面白い一年だった気がしてきたな……。軽率にいろんなことがしたいです、来年は。
来年の抱負は 「多作多捨」・「いい人間になる」 です。たくさん作ってたくさん捨てる、まずはたくさん作ること、句も歌も「できてしまう」ことを恐れない。あとは本当にいい人間になりたいです。どんな無法者にも芸術は開かれていますし、歴史を紐解けば「ろくでなし」が残した素晴らしい作品は星の数ほどあり、またその「ろくでなし」さを愛する人が多いのも事実です。まず前提として、「作者の人間性と作品は切り離して考えるべきだ」という考えに僕は同意してきました。でも、僕にも亡くなっている作者を「キャラクター」として消費してしまうことはありましたし、存命の作者でも「信頼できない」と判断すればその作品の購買から手を引くことは多いです。言い方が難しいですが、「作者の人間性と作品を切り離して考える」ことは、ある意味では重要ですが、それを100%適応することは僕にはできない、と今は考えています。信頼できる作り手だ、と判断できれば、僕はその人の活動を応援したいし、その人の作品をすすんで自分の生活に取り入れたい。僕がそういう考えだから、いい人間になりたいんです。いい作品を作っていることが僕には分かっているから、それを人間性の面で失いたくない。僕の作品を好きだと言ってくれた人を、作品以外で裏切りたくはないです。作品が変わって見放されるのはそれは仕方がないけど。あとはそれに付随しますが、SNSの使い方も考えていかなきゃいけないですね。作品の告知だけできたらシンプルでいいと思うけれど、生活の話もすると思います。政治批判だってするし。僕はインターネットを心の底から愛しています。Twitterに関しては、もう「Twitter」という精神のモードあがるので、信用できて、面白いと思える人だけフォローするし、見ています。フォローしていなくても作品が好きな人もいるし、TLをたまに見に行く人もいます。自分がしんどくないように今後もやります。みんなもそうしてくださいね。
今年はまだ句会も控えているし、ちょくちょくイベントがあります。仕事もまだおさまっていません。でも一旦はこれで。今年一年本当にありがとうございました!来年も生きてお会いしましょう!