ハイキュー‼︎短歌 烏野VS稲荷崎(アニメ ハイキュー‼︎TO THE TOP)

雪嶺にきみがたしかに打ち込んだハーケンだった 陽が射してくる

冠を幾度戴き信頼は研いだ刃のようにのみど

天才 と云うとき生まれる崖がありその双眸を一度見ただけ

習慣に魂こそが磨かれる百鬼夜行はまだ終わらない

うつくしい棺のような額縁に飾る思い出などないのだと


稲荷崎はバランス面でいえば一番好きなチームです。抜きんでた「才能」のあるプレイヤーがいて、その一人ひとりが努力を怠らず、好奇心に溢れている。中学のときはベンチにすらいなかった、「まあ上手いほう」の男の子がキャプテンとしてそれを率いている。これはアニメ派のひとにはネタバレになってしまいますが、「天才」と称されて世界と戦う宮侑が今も「ウチの大将」と呼ぶのが北信介である、という事実が、僕は嬉しかった。そしてそれは稀有な事例であるというより、本当にこの世界にありふれているんだろう、と思わせてくれました。稲荷崎の妖怪めいた強さとその連帯は、イラストでも描かれるように百鬼夜行を思わせますが、その宴の先頭にいるのは「人間」の北信介であるということを、僕は信じて疑いません。